ゲームの紹介

ストーリー

遥かな古の時代…神々と悪魔との戦いに始まり、1000年に渡る人間同士の戦争とその終わり…
そして再び争いを始める2つの国……『GODIUS』の奥深い歴史を語ろう。

神聖期

遥か昔、神と悪魔の間に大きな争いがあった。
争いは100日と100夜のあいだ行われ、101度目にめんどりが鳴いたとき、神は悪魔の軍勢を打ち破った。

戦いに疲れ果てた神は、その場に倒れ、深い眠りについた。大いなる眠りの間に、その身は大地となった。大地に残る神の霊気は、泳ぐもの、飛ぶもの、四つ足で歩くものを生み、そして育んだ。神の息吹に守られた大地に生きるものたちは、大地に残る神の意志をその身に感じ、そして平和に暮らした。
やがて神に似た姿を持つ者が生まれた。それは人間と呼ばれた。人間は豊かな大地に感謝し、神殿を建てて神を祀った。
人間は、神と、神の背にできた大陸を「ガディウス」と呼んだ。

混沌期

鍛えた鉄が土に還る程の、多くの時が流れた。神の背に住む民は、大地に宿る神の意思を感じる力を失った。
人々は不安に駆られ、多くの部族に分かれ、そして主張した。「我等の部族こそが、神の意思を継いだ正統なガディウスの民である」。
各地へ散らばった人間たちは、都市をつくり、城壁をつくり、互いに反目し、そしりののしり、そして殺しあった。さざなみのように小さな争いは、やがて大きなうねりとなり、激しい戦が野火のように広がった。神の慈愛に満ちた平和な大地は、多くの血を飲みこみ、骸は山となった。神の背のあらゆるところで混沌とした争いが続くこと幾星霜。戦いに疲れきった人間は、親鳥を待つヒナのように、平和をもたらす使者を待っていた。

歴史の始まり

終わりの見えない死の螺旋を歩きつづけてきた神の子らに、希望がもたらされた。
見よ、日の昇る方角から海を渡り、男が現れた。ウェルリンと名乗るその男は、鋼のような強さを持ち、フクロウのような知恵を持っていた。ウェルリンは生まれついての指導者であった。
民の希望たるその男は、魔法と力、そして巧みな話術を操り、争いを鎮めた。数百年もの間、麻のように乱れていた大陸は、東方より現れた英雄によって、その平和を取り戻した。ウェルリンは平和の使いとして崇められ、王として全ての民から敬われた。人々はウェルリンによってもたらされた平和を祝った。

アンドレアンの登場

大陸に染み込んだ血のにおいが消えたころ、太陽が眠りに入る方角から海を渡り、人々がやってきた。
自らをアンドレアンと呼ぶその民は、荒ぶる海を越えて、絶えることなくやってきた。アンドレアンの民は、肥えた大地に蒔かれた麦のように増え、その数は大陸の民の数を越えた。彼らは人がその足を踏み入れたことのない、神の背の西側に都市を作った。そして絨毯にこぼした水が広がるように、じわじわと神の背の東へと進んできた。民の不安を察したウェルリンは、アンドレアン征伐を心に決めた。

1000年の戦争

大陸の民の攻撃で始まった戦は、ウェルリンの勝ちに終わるように見えた。

しかし、絶えることなく海を越えてくるアンドレアンの数は、ウェルリンの予想をはるかに越えていた。数に押され、鋼の強さを持つウェルリンでさえも、敗走を余儀なくされた。勢いにのるアンドレアンの民と大陸の民は、3度の夏と3度の冬を越えて争った。疲れ果てたそれぞれの軍勢は、長引く戦いに終止符を打とうと、神の背の南に全ての兵を集め、最後の決戦を行った。神が大地にその身を変えて以来、最大の戦いであった。
この戦いで、アンドレアンの指導者カイルは、数万のアンドレアンとともに戦死した。戦は大陸の民の勝利で幕を閉じた。しかし、凱旋の途につくとき、隠れていたアンドレアンの射た一本の矢が、英雄ウェルリンの命を奪った。 指導者カイルを失い、それぞれの民は1000年の長きにわたり、殺し合いを繰り返した。大陸そのものがはじけるような激しい争いの果てに、かつての英雄ウェルリンの骸が埋められた場所を知るものすら、もはやいなくなった。1000年の戦争に疲れ、人々は平和を切望した。
英雄ウェルリンがその命を落とした日から、ちょうど1000年目と言われる日、神がその永き沈黙を破った。争いを続けた人々の罪は積み重なり、太陽は毛の粗い布地のように暗くなった。神は御身を怒りに震わせた。その震えが、未曾有の大地震となった。天は巻物が巻き取られるように消え去り、山も川も、みなその場所から移された。神はまた、それまで大地が飲んできた血と、戦いで命を落とした人の亡骸を口から吐いた。神の吐いた血と骸は、西の海を荒れ狂う海へと変えた。アンドレアンの民は、もはや大陸に来ることも、大陸から出ることもできなくなった。故郷への道を絶たれ、神の背に伏して泣くアンドレアンの民に、神はこう言った。

「見よ、そして聞け。死の海を越え、私の背にやってきた、勇敢な民よ。争いと殺しを止め、悔い改めよ。私はそなたを赦す。私の背で生きるがよい。」

神による天変地異に恐れを感じていた大陸の民にも、神の言葉が与えられた。

「見よ、そして聞け。私の背に生まれた民よ。これまでの争いと殺しを悔い改めよ。私はそなたを赦す。新しい隣人を愛し、私の背で生きよ。」

1000年の間絶えることのなかった戦争は、神の慈悲によって終わりを見た。
神の慈悲に感謝した2つの民は、再び神ガディウスを祝福した。

平和期

大陸に平和が訪れた。アンドレアンはその名を捨て、西の民と呼ばれるようになった。西の民は大陸の西に国を建て、自分たちの国をタペリと呼んだ。

大陸の民は東の民と呼ばれるようになり、彼らの国はベルクと名づけられた。
幾星霜を経て、2つの国は平和に共存し、やがて全ての民がガディウスの民と呼ばれるようになった。

現在の情況

さらなる平和を願う人々は、タペリとベルクの王族を結婚させ、平和に大陸を統一しようと考えた。
しかし、婚姻の儀が執り行われるようとするとき、タペリの王が理由のわからぬ死を遂げた。王は神を冒涜する言葉を吐き、苦痛にうめきながら、舌を噛んで死んだ。

タペリの民の間には、罪はベルクにあると言う噂が広まった。平和と統一を望む神の意志に従わない者が、ベルクにいる。神が受け入れた民を、受け入れない冒涜の徒がいると。噂は、人ごみを走るネコのように、民のあいだを駆け抜けた。
タペリの王が倒れて、日が経たないうちに、ベルクの王が乱心した。親族・使用人を惨殺し、血に染めた剣で、王は己が喉を切り裂き、そして倒れた。

ベルクの民は、王の乱心をタペリの呪いとささやきあう。タペリの民は異国の民。聖壇に汚物を供え、ガディウスの名を逆さに唱える邪教の徒と。噂はまとわりつく風のように、民のまわりを渦巻いた。
薄い氷のようになった2つの国の信頼を打ち砕いたのは、タペリであった。タペリの民は、タペリの王が死んだのは、ベルクの民に理由があるとし、平和を乱すベルクの民に、あらゆる権利を認めないと宣言した。
ベルクもこれに対抗した。神を信じないタペリの民に、害を与えることは罪にならないと宣言した。

人々の心に激しい憎悪が渦巻いた。
憎悪は神への信仰を薄れさせた。憎悪が大陸に満ちると、その醜い心を喰らい、かつて神に敗れた悪魔が甦った。悪魔が雷のような声で「来たれ」と言うと、硫黄の匂いを放つ黒い雲の中から、多くの怪物がやってきた。悪魔と怪物は神の背に住む人々を苦しめ、また、おくびょうな者、不信仰な者、人を殺す者、みだらな行いをする者、うそを言う者は魔性にとり憑かれ、目につく人を誰彼かまわず襲い始めた。
皮肉にも、同じガディウスの名の下に、また同じ聖戦という名の下に、2つの国は戦い、そして争い始めた。悪魔を交えた三つ巴の戦である。

この戦いに、勝者はいるのか。いるとすれば、それは誰なのか。
ガディウスの加護があらんことを…。

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